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ピアノおとぎ箱

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「うたとピアノの絵本」の講座に参加しました。

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2月1日は、呉暁先生の名著「うたとピアノの絵本」についての講座を受けに船橋まで行ってきました。

この講座の講師である佐藤誠一先生より「こんなのやるので興味があれば〜」とお誘いを受け、そりゃまー興味アリアリですよ〜ということで即参加決定です!佐藤先生は、「うたとピアノの絵本」のCDと連弾の編曲をなさっている方ですが、大学のワンゲルの先輩としてお世話になりました。CDが完成した際には(うん十年前です。)「サイン入りで買いたいです〜。」と言ったら「僕のサインが入ってたら、価値が下がるから。」と言って、うちにあるCDはサインなし(笑)という控えめな方でもあります。

呉先生は、母校の有名なソルフェージュの先生ですが、私は残念ながらご縁がありませんでした(泣)。先生が生徒に与える影響がものすごく大きい、というのは大学生にも言えることで、私は、もともと苦手なソルフェージュをついに好きになることが出来ないまま、大学を卒業しました。本当にソルフェージュの授業は苦痛だったし、ソルフェの力が足りないことで現在でも苦労しています。呉先生のクラスの学生は羨ましいな〜〜とずっと思っていました。(これは本当に運でしかなく、たまたまどの先生の担当になるか、が決まるのです。)

卒業後は、「うたとピアノの絵本」だけでなく、先生の著書はすべて読ませていただいていますが、すべて納得のできることばかりです。(なかなか実行が伴いませんが)若い頃に、ピアノの先生4人で共同で、MIDI音源を使ったリズム教材をヤマハのコンテストに出したことがあり、入選?みたいな評価をいただいたことがありました。それは「初心者のレッスンでまず大事なのはリズムだ。」という考え方で作った教材なのですが、その時に「呉先生がとても推してくださった。」ということを楽器店の方からお聞きしたことは、それはそれは嬉しい思い出です。

今回の講座では、その呉先生と佐藤先生との学生時代から現在に至るやりとりの中から、呉先生ご自身の語った生の言葉や、お人なりなども含めた色々なエピソードをお聞きして、「うたとピアノの絵本」がいかに愛情深く、丁寧に作られているのかを良く知ることができました。

こういった指導法の講座というと、明るく元気なカリスマ性のある「プロ先生」のような講師の方が、「今日から役に立つ!」とか「子どもが食いつく」とか「こうするとこういう効果がある」というような、即効性の高いグッズや指導法をものすごく具体的に教えてくれるものが、最近の流行りなのかな〜と思います。それはそれで本当に非常に「役に立つ」のですが、今回の講座はそれとは対極に位置するものでした。でも、それがジワジワと心に沁みてとても良いのです。

この教材を通して、指導者が子どもたちに伝えたいこと、音楽と向き合うこと、それらは「1+1=2」のように「こうすればこうなる」という種類のものではないと思います。その時、その時の先生と生徒で作り上げる時間の愛おしさ、悩んだり試行錯誤したりすることの大切さ、随所に盛り込まれた「隠れお楽しみ」を発見したりする喜びや、そういう回り道の楽しさ、も含め、全ては、音楽をずっと楽しんでいくための土台作りにつながるんだと思います。それは、正に私が目指しているものなんです。

佐藤先生が講座の中でおっしゃった中で、「弾けてしまう、ということと、何か音楽をしようとする、ということは違うんです。」という言葉はとても印象的でした。楽譜が読めるようになり指が器用に動いて、両手でそれなりのものがパッと弾けると「上達した」「この子はセンスがある」などと思ってしまいます。が、それはただ「そんな風に弾けちゃった」だけで、一つ一つの音を聞いていたり、メロディはこうで伴奏はこうで〜と分かっていたり、何かを表現しようとしていることとは違う、というのです。

たとえ簡単なメロディでも、それを楽しんで味わって弾くことが出来たら、とても素敵なものになるでしょうね。「うたとピアノの絵本」が目指している世界観というのはそういうものなんですね。ただ単に譜読みの練習としてこなす曲集としては、とても単純で簡単な本ですが、歌詞を歌ったり、絵から広がる世界を空想したりしながら、それをさらに膨らませる要素として伴奏も付けたりしたら、とても豊かな音楽経験を積むことができます。

「うたとピアノの絵本」はとても好きですが、いざ指導するとなると、どのようにしたら良いか、とても難しいものを感じて敬遠する部分もありました。今回の講座を受けてみて、はっきり言えることは、「うたとピアノの絵本」はそのシンプルさ故に、先生の工夫次第でいかようにもなる教材だということです。大変奥の深い教材です。それが、長い間ベストセラーであり続ける魅力なんでしょう。ますまず「うたとピアノの絵本」が好きになりました。少し遠かったですが、船橋まで行った甲斐がありました。

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